仲間 Colleague
- On 2021年2月13日
どういう仕事についておられても、完全に全く一人で完結できる仕事はないです。山奥で素晴らしい作品を作っている孤高のクリエーターでも、それを展示したり、販売したりするのには、誰かが関わることになります。「いや、俺はすべて梱包も運搬も自分一人でやるぞ!」と豪語しても、少なくとも、買い手とは繋がることになります。
自分は医師として、医療に携わっていますが、医療こそはチームです。仲間との良い連携がなければ、質の高い医療はできません。
私は大きな病院のICUにいる時も、無医村のような雪国の山奥で働いていた時期も、常にいい仲間に恵まれてきました。現在もそうです。感謝ですね。
それはオーダー出して治療体制が動くには、ピラミッドで描けばトップに医師がいますでしょう。でも、看護師がいて、ヘルパーがいて、検査技師がいて、薬剤師がいて、介護士がいて、事務員がいて、清掃員がいて、在宅医療なら運転手さんがいて、そうですとも、忘れてはいけない!患者さんも、そのご家族も、丸ごとでチーム医療の大事な一員です。
すべての人が、お互いを尊敬して、それぞれの立場で風通し良く意見を言い合えてこそ、気がつかなかった過ちにお互いが初めて気がついたり、誰かが思いついた意見から、更にいい治療に結びつくヒントが与えられたりするものです。職種に上下はありません。一つのプロジェクトを成し遂げるにあたり、立場や視点が違う沢山の職種があるだけで、どれが欠けていても、チーム医療は正しくレベルが上がりません。
かつて救命率が95%を軽く凌ぐNICU(未熟児などの高度医療と思っていただけばいいです。)にいたことがありますが、それはそれはそこのスタッフ全員の連携が、とんでもなく素晴らしかったのを鮮明に記憶しています。教授も、この救命率はレベル高いチーム医療の成果だとおっしゃっていました。
医療だけでなく、きっとどんな職業でも、結局同じだと思います。
Alone we can do so little; Together we can do so much.-Helen Keller
一人でできることなんて、そう多くはない。でも、皆で一緒にやれば、すごく多くのことができる。ーヘレン・ケラー