ドローイング Drawing
- On 2021年3月13日
ドローイングというと、きっと多くの人が、昨今はダイエットのための呼吸法(参照ページ)と思われるかもしれないのですが、私のいうドローイングは、いわゆるクロッキーのことです。
絵を描くことを結構真剣にやってる人たちには、ドローイングは、絵の上達のためには必須のレッスン課題です。私は、思い切って医者の仕事を数年前数ヶ月間辞めて、ニューヨークの結構有名なアートスクールへ、そのドローイングの勉強に行きました。(これって実は、日本で医者をやってる仲間たちからすれば、無謀で、清水寺の舞台から飛び降りるほどの覚悟がないと実行はできません。日本での医師としての仕事を、一旦全て辞めないといけないですし、帰国してすぐ又働く医療機関が簡単に見つかる保証は全然ないんですから。まあ、いいのですよ。私はアートがそれほどに好きだから、実行できたことです。)
そのクラスでは、のっけから、モデルさんが、一回に30秒ほどのポーズを40ポーズほど次々に取ってくださるのを、ただただ、動きを捉えるように、どんどん、どんどん描くところからスタートしました。それが1分ずつのポーズ20回とか、3分のポーズ10回とか、5分のポーズ6回、10分のポーズ2回と徐々に長くなって行きます。
最初は、ついていくのに必死でした。クラスメイトは、色々なアート系のプロが揃っていて、アニメーターも、映画のプロデューサーも、すでにプロの画家として生きてる人もいました。それはそれはレベルが高かったので、非常に刺激を受けて、とてつもなく勉強になりました。そのクラスで教えてくださった教授が、その学校の教師をまとめるトップの方でしたが、ただ描くのではなく、モデルと共感しろ(sympathy)とおっしゃいました。もちろん、紙の使いかた、構図の取り方、線の濃さ、フォルム、ボリューム、、、、本当に沢山の注意点を頂きましたが、共感するという言葉には、びっくりしたものです。
でも、以下の巨匠の言葉に、ふとなるほどな!と思いましたね。
ドローイングは、私にとっては、ある意味瞑想に入れる作業で、心が乱れているときには、帰国してからも、写経するチャンスを探すように、タイミングの合うドローイングのクラスを探しては参加しています。
A good painter is to paint two main things, namely, man and the workings of man’s mind.-Leonardo da Vinci
優れた画家は、主として二つのものを描く。人と人の心の動きである。=レオナルド・ダ・ヴィンチ