沈黙は金、雄弁は銀…でないこともある。
- On 2017年6月3日
Silence is golden, speech is silver.
これは、英語圏から日本へ入ってきたことわざだそうですが、決して安易に雄弁に話が出来ることを否定しているわけではないそうです。オリンピックでも金は銀より上のランキングのメダル。立て板に水を流すがごとく語ろうと思えば出来る(これが銀メダル)のだけれども、黙っておいたほうがいいというタイミングでは、それを見極めてきちんと沈黙できる(これが金メダル)ことは、素晴らしいと言うことです。(参考)
しかし、海外で暮らしたり(海外旅行でもいいのですが)、外国人たちと日常交流していると、この「沈黙は金」は、国際社会で通らないことが多いのです。黙っているときっと大丈夫なんだと思われて丸損をする。何も言わないでいるとこの人は何も分かってないんだと軽蔑される。~~~という状況に度々陥ります。
沈黙は機を捉えないと、決して金などではなくなります。
カナダでの私の経験です。ホテルに到着し、部屋に荷物を置いてすぐに、カナダ人の友人との約束があったのであわてて外出しました。一日歩き回ることになって、疲労困憊でホテルに戻ったのは夜11時過ぎでした。やれやれシャワーでも浴びようと蛇口をひねったら、お湯が全く出ません。何らかのネジが痛んで緩んでる音が、素人の私にも分かりました。そこで、フロントの人に結構強く申し出ました。
「シャワーからお湯が出ませんけど、すぐに対応してください。」(そして、その蛇口の状況を詳細に伝えました。)
「今夜は夜も遅いし、明日、設備担当をチェックに来させます。その状況なら、その場で修繕出来るとは思いますが、修繕出来なかったら、その時は別の部屋を準備します。ですから、今日はシャワーを諦めて、そのままお休みください。」
「担当さんが部屋に来て下さるのは、明日の何時頃なりますか?」
「さあ、なるべく午前中に担当を来させるようにはしますけど、何時とはお約束できません。」(明日も私は朝から出かけないといけないんです。しらっと平気で言う、しかもちっとも誠意の感じられないフロントスタッフの口調。さすがにカチンと来ました。)
「いいですか?私は、シャワーもちゃんと使えるというサービスまで込みで、この部屋代の支払いも日本から前もって済ませてあるんですよ。私には、きちんとシャワーを今夜浴びる権利があります。シャワーを使えるお部屋と同じ料金を正当に払っているのに、一晩シャワーなしで諦めないといけないというのは納得できません。修繕する担当さんが夜間でいないなら、ちゃんとシャワーの出る部屋に、今すぐに変えてください。」
言いたい事はちゃんと主張です。結果ですか?はい。私はすぐにちゃんとシャワーの出るお部屋に移動できました。そして、大変気持ちよくシャワーを浴びて、ゆっくり休みました。(良かったら、参考までに「黙っていては人権はない」という法律のお話もお読みください。)もちろん翌日に、お部屋やホテルの外観をスケッチした絵を、関わってくれたスタッフに差し上げて、そこに「ありがとう」とメッセージを入れましたけどね。(笑?)
Silence is not always gold. We should know the right time to use it. Otherwise, we might lose our legal rights.